新パイロットプログラム:Eディスカバリーの共同提出
複雑な民事訴訟案件に要する高額な費用を抑制するための対策として、ニューヨーク南地区. 合衆国地方裁判所は、2011年11月1日より、パイロットプログラムの試験運用を開始した。このパイロットプログラムは、32名もの弁護士からなる委員会と判事とで、複雑な案件で適用される規則について策定したもので、司法案件の管理を向上させ、これらの紛争にかかる費用と遅延を減らすことを目的としている。
複雑な民事訴訟案件に要する高額な費用を抑制するための対策として、ニューヨーク南地区. 合衆国地方裁判所は、2011年11月1日より、パイロットプログラムの試験運用を開始した。このパイロットプログラムは、32名もの弁護士からなる委員会と判事とで、複雑な案件で適用される規則について策定したもので、司法案件の管理を向上させ、これらの紛争にかかる費用と遅延を減らすことを目的としている。
2010年8月12日、米国オラクルが保有するJava技術に関する特許及び著作権を侵害しているとして、グーグルが提訴されたが、その裁判の中でグーグルのエンジニア Lindholm氏のEメールが問題となっている。このEメールは、Lindholm氏が、モバイルOS「Android」の部門長に出したもので、Android搭載のシステムについて、Java関連技術の特許のライセンスを交渉する必要性があると記載されていた。
電子通信プライバシー保護法:ECPA( Electronic Communications Privacy Act) は、 1986年10月21日に制定された法律で、先日25周年を迎えた。インターネットもない時代に制定されたこの法律、不備が多く混乱を招き、時代遅れであることがさまざまなところから指摘されている。(前回のブログ記事で適用範囲を紹介)
最も問題視されているのは、政府が個人の情報を入手したい際に、令状(Warrant)なしに、電子データを入手可能な点である。ECPAでは、郵便物や電話回線記録と異なり、メールや携帯電話や位置に関する情報を、捜索令状なくして政府機関が、機密に入手することを認めている。マイクロソフトやグーグルなどの電子メール・ストーレッジのプロバイダー業者は、政府機関の命令により、電子文書保有者に知らせず、電子保管文書(ESI)を強制的に情報開示しなければならないという立場におかれているのが現実である。
Eディスカバリーに関する連邦民事訴訟規則(FRCP:Federal Rules of Civil Procedure)が2006年に改正され、Eディスカバリーの手続きに改善がみられたものの、未だにデータの保全や提出フォーマット等Eディスカバリーに要する過度な費用が問題となっている。特に特許侵害訴訟では、特許の技術的範囲や、侵害製品の構成、先行技術や損害額の算定など、重要な情報が山ほどあり、Eディスカバリーの費用がさらにかさむ傾向にある。
Eディスカバリーでの「モデルオーダー(Model Order)」とは、特許侵害訴訟などで開示証拠(特にEメール)の争点を絞り、限定的に証拠開示することを裁判所が当事者に要求すること。この「モデルオーダー」は、Eディスカバリーの範囲を集約化し、訴訟当事者に争点の議論に集中するよう要求することにより、経済的で効率の良い司法手続きを目指すことが目的である。なお、FRCP30では、10回の証言録取(1回あたり7時間まで)と制限しているが、この「モデルオーダー」では、提出を要求するEmailのカストディアンの人数や検索キーワードに制限をかけ、証拠の中でも核心の書類を提出するように要求される。
第9巡回控訴裁判所は、電子通信プライバシー保護法(ECPA: Electronic Communications Privacy Act)は外国人にも適用されること明言した(Suzlon Energy Ltd. v. Microsoft Corp. F.3d, 9th Cir. 2011)。今までECPAにおける保護の対象は、米国会社の、米国国内サーバーに保管されたEメールを対象としていたが、これでメールを保有者の国籍を問わずに保護するようになる。
本件では、米国マイクロソフト社のHotmailアカウントに保管されているインド国籍者のEメール証拠保全が問題となっていた。原告Suzlon Energy社が、オーストラリアでの訴訟手続(Eディスカバリー)で使用するために、被告マイクロソフトに対し、Eメールを開示するよう要求していたが、地裁はこれを却下し、控訴審でもこの判決が支持された。
米司法省と米連邦捜査局(FBI)は、幅広い産業分野での国際価格カルテルについて、米独占禁止法(反トラスト法)違反で捜査しており、先日ブリヂストンの談合事件について当ブログでも取り上げたが、9月だけでブリヂストン以外に3件の日本企業が絡むカルテル事件があった。
Eディスカバリーに関するFRCP(Federal Rules of Civil Procedure)の改正について近年民事法のアドバイサリー・コミッティで議論されています。
現状では2013か2014年までは実際の改正はなさそうですが、Eディスカバリー手続きの均一性を高める必要があると、米司法会議委員会の議長が報告しています。他にもクラウドやソーシャルメディアの拡大など、技術は日々進歩しており、Eディスカバリでは新たな状況や問題が起こっているにもかかわらず、電子情報のディスカバリに関する法律は2006年から変わっていません。2006年に改正された現行法では、データのフォーマットやアクセスできない情報の扱い方などに関する当事者同士の合意について定めています。
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2011年9月14日、韓国Kolon社が、米国デュポン社の営業秘密を窃取した事件に関して、連邦裁判所にて陪審員はKolon社に対し9.19億ドル(約70億円)の評決を出した。元エンジニアは、機密情報の窃取等の罪を認め、2010年3月に1年半の禁固刑を言い渡されている。
デュポン社は、防護衣料などに使われる有機繊維のアラミド繊維(Kevlar)に、5億ドル(40億円)以上を投じて開発をしていた。
本件において、デュポン社は、Kolon社の幹部が、Dupont社の元エンジニアや日本との合弁会社の元従業員5名と陰謀して、アラミド繊維(Kevlar)の情報を入手していたと主張。判決のポイントは、Kolon社が裁判直前に窃取に関するメールなどを破棄しており、保存義務が生じているにもかかわらず、同社の幹部や従業員はキーとなる証拠を抹消したことに対して制裁が下った。
2011年9月15日、日本のタイヤメーカーのブリヂストンが、マリンホース等の製品販売に絡む談合と中南米の政府当局者への贈賄を企てた罪を認め、米司法省と和解金2800万ドル(約21億円)を支払うことで合意した。
同社は、2007年5月から国際カルテルへの関与の容疑及び、中南米の外国公務員に対する不適切な支払いについて、米国司法省の捜査を受けていた。今回の有罪答弁合意書でブリヂストンは、米国独占禁止法(Sherman Act)及び米国海外腐敗行為防止法(FCPA: Foreign Corrupt Practices Act)違反の謀議について罪を認め、今後自社のコンプライアンス体制や内部統制を強化することを誓約することにより、法人に適応される罰金を大幅に減額することを米司法省と合意した。